税理士としてのキャリアを積んでいく中で、「年収600万円」というラインは一つの分岐点です。
この金額を超える人とそうでない人の差はどこにあるのか。資格や経験だけではなく、業務領域・仕事の進め方・考え方の違いが、収入の差につながっていることが見えてきます。
今回は、複数の税理士事務所・企業での採用データやヒアリングをもとに、「年収600万円を超える税理士の共通点」を徹底分析します。
1. 専門性+αを持つ「掛け算型スキル」
税理士資格を持つ人は全国に約8万人。その中で600万円を超える層は、「税務+αの専門性」を持っているケースが圧倒的に多いです。
単に税務申告や記帳代行をこなすだけでなく、以下のような分野で付加価値を提供できる人が評価されています。
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相続・事業承継:富裕層・オーナー企業対応ができる人材
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国際税務・移転価格:外資・海外子会社対応の専門家
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組織再編・M&A:中堅企業のスキーム構築を支援できる人
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コンサルティング:経営分析や業績改善提案ができる人
これらの分野は、単価が高く、案件ごとのフィーも大きい。
結果として、担当顧客の規模が収入に直結します。
特に都市部の中堅~大手税理士法人では、こうした専門領域を持つ人にマネージャー・シニアポジションが集中し、年収600~800万円台がボリュームゾーンとなっています。
2. 顧客対応・営業力で“指名”を生む人
もう一つの大きな共通点は、顧客から信頼され、指名される存在になっていることです。
税理士業界では、資格よりも「この人に任せたい」と思わせる人間力が収入を左右します。
そのためには、税務知識だけでなく以下のような姿勢・スキルが不可欠です。
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顧客の課題を「税金」ではなく「経営課題」として理解する
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難しい内容をわかりやすく伝える説明力
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顧客との雑談・フォローを通じた関係維持力
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必要なときに“攻め”の提案ができる積極性
特に中小企業の顧問先では、担当者=経営相談相手になることも多く、「人間的信頼」×「専門的安心感」を両立できる税理士が高く評価されます。
こうした関係を築ける人は、顧客単価が高くなりやすく、紹介案件も増えるため、年収600万円を超えるスピードが早い傾向にあります。
3. 事務所運営・マネジメントに関与している
年収600万円の壁を超えるには、単に「自分の担当をこなす」段階を脱する必要があります。
多くの高収入税理士に共通するのが、マネジメント業務に携わっていることです。
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スタッフの教育・チェック業務を任されている
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顧問先の配分や案件管理を担う
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採用・評価など組織運営に関与している
こうした立場の人は、業務時間あたりの生産性が高く、報酬体系も固定給+役職手当や成果給となるため、年収600万円以上が安定します。
また、「自分の手を動かす」から「仕組みを動かす」へと視点が変わることで、仕事の幅も広がります。
独立を見据える人にとっても、この段階の経験は非常に重要です。
4. 「時間単価」を意識した働き方をしている
高年収の税理士は、例外なく自分の時間を「資産」として管理している点でも共通しています。
単価の低い業務を抱え込みすぎず、高付加価値な仕事に集中する仕組みをつくること。
これが年収を上げるための最大のポイントです。
具体的な取り組み例
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記帳・入力業務をスタッフや外注に委託
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RPAやクラウド会計で業務を自動化
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高単価の顧問契約・スポット案件に注力
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顧客対応をオンライン化し、移動時間を削減
つまり、「忙しさ」と「収入」は比例しないという前提で働いています。
仕事量ではなく、時間あたりの成果を最大化する発想を持つことで、同じ労働時間でも2〜3割以上の収入差が生まれるのです。
5. キャリア戦略を描ける人は、年収も安定して伸びる
税理士のキャリアは、働く環境によって大きく変わります。
例えば、次のような違いがあります。
| 働く場所 | 特徴 | 年収レンジの目安 |
|---|---|---|
| 小規模事務所 | 顧問先数が多く幅広い業務経験を積める | 400〜600万円 |
| 中堅税理士法人 | 分業が進み、専門性を深められる | 500〜800万円 |
| 大手法人・FAS | 高難度案件が多く、外資・上場企業対応 | 700〜1,200万円 |
| 企業内税理士 | 安定収入+福利厚生あり | 500〜900万円 |
年収600万円を超える層は、上記のいずれかで「自分の強みを活かせる場所」を選んでいます。
逆に、漫然と同じ業務を続けているだけでは、年収は頭打ちになりがちです。
自分の得意領域・顧客層・将来像を明確にし、3年・5年単位でキャリアを設計することが重要。
それが結果的に報酬の安定・上昇につながっています。
まとめ:知識より「戦略」が収入を決める時代へ
税理士業界は、今まさに構造転換期にあります。
クラウド化・自動化・顧客ニーズの多様化が進み、「知識があるだけの税理士」では高収入を維持できない時代になりました。
年収600万円を超える税理士に共通するのは、次の3点です。
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専門性に掛け算できるスキルを持っている
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顧客やチームを動かす力がある
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時間単価とキャリアを戦略的に設計している
これらを意識することで、単なる「資格保持者」から「価値を生む専門家」へとステップアップできます。
年収600万円の壁は、知識ではなく“考え方”で超えるもの。
あなたの働き方を見直すことが、その第一歩になるはずです。
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