税理士を目指して勉強を続けるなかで、「科目合格の段階で転職しても大丈夫だろうか」「未経験から税理士事務所に入れるのか」と不安を感じる人は多いものです。結論から言えば、科目合格者でも十分にチャンスはあります。 近年では、会計・税務人材の不足が進み、ポテンシャル採用や教育体制を整えた事務所も増加しています。
本記事では、実際に未経験から税理士事務所へ転職した成功例をもとに、どのような人が評価され、どのようにキャリアを築いていったのかを紹介します。
1. 科目合格者の価値が高まっている理由
以前は「実務経験がないと採用は難しい」という時代もありました。
しかし、現在は税理士試験の長期化や受験者数の減少により、若手の科目合格者を育成前提で採用したいという事務所が増えています。
特に中堅規模以上の税理士法人では、教育・OJT体制を整え、科目合格者を早期に実務へ慣れさせる仕組みを構築。
「税理士資格を取得してから転職するより、早めに現場を経験して合格を目指す方がキャリア形成がスムーズ」という考え方も一般的になっています。
また、採用担当者の多くが口にするのは「勉強を継続できる力=成長力」という評価。
試験科目を一つでも合格したという実績は、努力と継続の証明として高く評価されるのです。
2. 未経験から転職した3名の成功例
ここでは、実際に科目合格の段階で転職し、税理士業界でキャリアを築いた人たちの成功パターンを紹介します。
(※人物設定は実例傾向をもとに再構成)
事例①:営業職からのキャリアチェンジ(20代後半/2科目合格)
大学卒業後、法人営業をしていたAさん。会計知識ゼロから通信講座で勉強を始め、2科目に合格したタイミングで転職を決意しました。
応募したのは、若手育成に力を入れる中堅税理士法人。面接では「数字を通して企業経営を支えたい」という志望動機と、営業で培ったコミュニケーション力をアピールしました。
入社後は仕訳・月次処理などの補助業務からスタート。3年目には法人決算を担当し、4年目には3科目合格。現在は担当クライアントを持ち、次期リーダー候補として活躍中です。
成功ポイント:
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営業経験を「顧客対応力」として強みに変換
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科目合格+行動力を評価され、育成枠で採用
事例②:経理アシスタントからステップアップ(30代前半/1科目合格)
Bさんは事業会社で経理補助をしていましたが、より専門性を高めたいと考え、税理士事務所への転職を志望。
会計ソフトの使用経験や月次締めの流れを理解していたため、即戦力として採用されました。
最初の半年は法人税・消費税の申告補助を中心に担当。その後、顧客訪問や決算説明を任されるようになり、働きながら2科目合格。
5年後には税理士登録を果たし、現在は同事務所のチームリーダーです。
成功ポイント:
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業界未経験でも「経理経験」が強みとして評価
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働きながら合格を重ねる姿勢が信頼につながった
事例③:事務職から専門職へ(20代半ば/簿記2級+科目合格なし)
Cさんは一般事務職として勤務していましたが、会計に興味を持ち、独学で簿記2級を取得。
その後、会計業界を志し、未経験OKの求人に応募。OJTで入力作業や請求書処理を覚え、半年後には決算補助まで担当するようになりました。
入社2年目に簿記1級と税理士試験1科目に合格。今では「資格取得を支援してくれる環境があるから頑張れる」と語っています。
成功ポイント:
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資格取得意欲と学習習慣を面接で強くアピール
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未経験採用枠でも“伸びしろ”を重視され採用
3. 採用担当が語る「未経験OK」の本当の意味
求人票にある「未経験歓迎」には、実は2つのタイプがあります。
ひとつは「補助業務から育てる前提の教育型採用」、もうひとつは「最低限の会計知識がある前提での即戦力期待型」。
採用担当者によると、“未経験”でも簿記2級レベルの基礎知識があれば現場でのスタートが早いとのこと。
「会計・税務の基本がわかっている」「Excelが使える」「社会人としてのコミュニケーションができる」──この3点を満たしていれば、育成対象として十分に評価されます。
また、税理士法人は繁忙期が明確な業界。
「12月〜5月に忙しく、6月〜11月に学習時間を確保できる」など、働きながら勉強を続けやすいサイクルも魅力です。
採用側も「勉強を継続している人」を長期的に育てたいという意識が強く、科目合格者は“途中段階のプロ”として歓迎される傾向にあります。
4. 未経験から成功するための3つのステップ
未経験で税理士業界を目指す場合、重要なのは「知識+姿勢+情報収集」です。
ここでは、転職を成功させる3つのステップを紹介します。
(1)基礎知識の証明として簿記2級以上を取得
科目合格がなくても、簿記2級を取得していれば会計の基礎があると判断されます。
「まずは学ぶ意欲を形にする」ことが、面接時の説得力につながります。
(2)キャリアプランを具体的に語れるようにする
「なぜ税理士を目指すのか」「どの分野で活躍したいか」を明確にすること。
採用担当者は、“勉強しているから”ではなく、“目的を持って行動しているか”を見ています。
(3)専門特化型エージェントを活用する
税理士業界は求人票だけでは分からない情報が多く、教育体制や残業時間などは事務所ごとに差があります。
税理士に特化した転職エージェントを利用すれば、「未経験者を積極採用している事務所」や「科目合格者が多い環境」を紹介してもらえるため、ミスマッチを防げます。
まとめ:未経験でも、始めるタイミングが“今”である理由
税理士業界は今、人材不足と構造変化の真っただ中にあります。
クラウド化や電子申告の拡大により、業務効率は上がりつつも、クライアントへの提案や経営支援など「人の力」が求められる領域はむしろ増えています。
だからこそ、科目合格者や未経験者が育成枠で採用されるチャンスが拡大しているのです。
まずは一歩踏み出し、実務経験を積みながら資格取得を目指す。
その選択こそが、税理士として長く活躍するための最短ルートといえるでしょう。
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